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人は、人生の約三分の一を睡眠に過ごしています。
それだけ、睡眠は、私達の健康にとって重要な役割を果たしています。最近、幸福な生活の指標とされている「クオリティー・オブ・ライフ(QOL:生活の質)」も「痛みがなく心理的に安定し、職場、学校、家庭などの社会環境で十分に役割を果たし、生き甲斐を持って生活できること」とされており、こういう生き方をするにあたり、睡眠は、重要な役割を占めています。
最近、よい眠りの大切さが強調されている気がします。それだけ睡眠障害、特に不眠に悩まされている人が多いのではないのでしょうか?今回は、「睡眠」について少し書きたいと思います。
まず、睡眠の役割は、第一に脳(大脳)の休養あるいは、疲労回復です。脳の疲労は、ただ何もしていなければ回復するというものではなく、眠りによってはじめて、回復するのです。
第二に、身体の疲労の回復です。身体の疲労は、睡眠をとらなくても、かなり回復しますが、睡眠の際には、身体全体が休養に適した状態になります。特に「レム睡眠」の時には、身体の筋肉の緊張が著しく低下するので、筋肉の休養になります。
第三に、進退の活動リズムの調整です。特にホルモン(成長ホルモン、乳汁分泌ホルモン)の分泌リズムは、睡眠と密接な関係を持っています。成長ホルモンは、子供の成長を促進させます。大人では、全身の栄養に関係するので、睡眠不足で成長ホルモンの分泌が不十分になると、女性では、肌荒れなどを起こします。
第四に、体温を下げて脳の過熱を防ぐことです。脳は、休むことなく働いているので、放っておくとエンジンのようにオーバーヒート(過熱)してしまいます。脳の温度が上がってボーっとすると、正常な脳の働きが妨げられます。そこで睡眠によって体温を下げ、脳を循環する血液の温度を下げて脳を冷やすのです。
第五に、免疫機能を高めることです。風邪を引いたりして、熱が上がると、眠くなりますが、これは、免疫活動が活発になると同時に睡眠によって身体を休め、回復を促進するのです。
睡眠には、このような役割があります。
そして眠りの深さは、脳波のパターンによって推定できます。 第一段階(うとうと、、入眠期)、第二段階(すうすう、軽睡眠期)、第三段階(ぐうぐう、中等度睡眠期)、第四段階、(深睡眠期)に分けられますが、それ以外に脳波が入眠期に近い低振幅パターンを示し、眼球の急速な動きが見られ、夢をみていることの多い特殊な睡眠期をrapid eye movemento(急速眼球運動)の頭文字をとってレム(REM)睡眠といいます。それ以外の睡眠期は、レム睡眠以外ということで、ノンレム睡眠(NON-REM)睡眠といいます。
レム睡眠では、脳波は、浅い睡眠程度で、大脳の機能は、ある程度、保たれ、急速眼球運動、筋活動の消失、などの特徴があります。
ノンレム睡眠では、第一回目の周期が深いことが、わかっています。
次に、睡眠時間ですが、世界中の人が平均で7〜8時間、眠っているということになっています。ですから、このあたりが妥当な睡眠時間と思っていただいて、結構ですが、いつも8時間、寝ている人の睡眠時間を減らしていくという実験をしたところ、5時間半までは、日常生活に支障がありませんでした。しかし、その逆の実験をしたところ、9〜10時間の睡眠をとることによって、昼間にほとんど眠気を覚えず、精神作業能力も向上したという報告があります。ただ、現代社会では、十分な睡眠がとりにくくなっています。できるだけ良質な睡眠をとりたいものです。そのためには、できるだけ、朝日を浴びましょう。朝日を浴びると概日リズムが、早くなって寝付きがよくなります。また、セロトニンという、眠気をおこすホルモンの分泌が、よくなります。そして、低強度の運動を行いましょう。急に強度の強い運動をすると、身体全体が興奮して、かえって眠りにくくなってしまいます。特に高齢者は、生理的に睡眠が浅くなるので、低強度の運動は、良い眠りに、有効です。日頃、運動をあまりしない人、高齢者には、ウォーキング、ストレッチ、ヨガなどが、良いでしょう。当クラブのスタジオレッスンにある健康体操は、大変お勧めです。運動によって、全身の血流を促進させ、体温を上げます。そして、体温が下がっていく時に、眠りやすいという効果もあります。また、入浴などで心身をリラックスさせるのも、よいでしょう。あまり眠らなければと、神経質にならないように、ゆっくりした気持ちで、寝床につきましょう。
「痛みがなく、心理的に安定し、職場、学校、家庭などの社会環境で十分に役割を果たし、生き甲斐を持って生活できること」そのために、快適で良い睡眠を!
<文:濱崎 耕平> |